学校などで「いのちの授業」を続けている団体の講師として、小中高校生の子ども4人が認定された。学校で疎外感や生きづらさを経験し、同世代や大人たちに「気持ちを聴いてもらう大切さを知ってほしい」との思いから挑戦した。

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講演会で登壇して話す真央さん。右はエンドオブライフ・ケア協会代表理事の小沢竹俊医師=2024年8月4日、静岡県富士市、上野創撮影
  • 学校行かずとも「オリジナルの青春」を タレント・ひかりんちょさん

 「折れない心を育てるいのちの授業」は2000年から、横浜市の「めぐみ在宅クリニック」医師小沢竹俊さん(61)がホスピスケアの経験から学んだことをもとに始め、15年に一般社団法人「エンドオブライフ・ケア(ELC)協会」を設立。5年前から認定講師を育成する講座も始めた。

 授業は、死にたくなるほど自分を否定したり、周りとの関わり方につまずいて孤独・孤立感に苦しんだりする子どもや若者にも参考になるように工夫されている。

 「自分や他人を傷つけてしまう背景」「解決できる苦しみとできない苦しみ」などの話題から始め、「苦しむ人に対してできること」として、相手が「分かってくれた」と感じるための傾聴の手法を紹介する。「自分は役に立たない」と感じたとしても、そのままの自分を認めてくれる人がいると感じられれば生きていけるという話もする。

 学校などでの授業は5年間で約700回にのぼり、認定講師は約230人。18歳未満の小中高校生は4人になった。大学生を含めると10人を超えるほか、教員の受講も増えているという。

吐き出す大切さ知った

 中部地方の小学6年生、真央さんは昨夏、講座を受けて講師に認定された。既に大人向けの授業の講師も2回務めた。

 きっかけは、3年生への進級時にクラス替えで仲良しの子たちと離れ、友達関係がうまくいかなくなったこと。好きな図書室でなんとか過ごしたが「自分は必要とされていない」と感じていた。2年生までは、母親の圭子さんとぶつかることも多かった。

 「あの頃は毎日が苦しくて、本気で消えたいと思っていた。だれに相談しても無駄と思い、心のシャッターを閉じました」と話す。

 母親が認定講師の講座を受け…

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